寿司はえんがわ。~Engawa R0tMG ブログ~ 別館

かったるい内容は別館でやることにしました

現在のムダな不幸を思えば、マルクスは正しかったのかもしれない

モノの価格って、需要と供給とのバランスによって決まっていくと言われてますね。

個人個人はただ自己の利益を追求するのだけれども、そんななかでいわゆる「神の見えざる手」が働いて、適切な価格がしぜんと決まると。バッテンみたいなグラフでよく示されますが、需要曲線と供給曲線とが交わっているその点のことですね。

この理屈でいけば、需要が供給を上回るようなら価格はどんどん上がっていくし、逆に供給が需要を上回るなら価格は下がっていくことになるわけです。

 

ここでちょっと考えてみたいのですが、いわゆるテクノロジーやノウハウの発達によって、生産性(供給)は時代とともにどんどん上がっていくものだと思われます。

供給が増すだけなら本来価格は時代とともに下がっていくはずなんですが、けれどもこれまでの時代の流れが示しているように、人口の増加をはじめとした経済規模の発展があることによって実際は需要の上昇のほうが上回って、(他の要因もあるのかもしれませんが)、時代とともに価格はどんどん上がってきたわけです。それこそ明治や大正のような時代なら100円がかなりの大金だったわけですが、いまじゃたいていの自販機でジュースも買えなくて、それだけ価格は上昇してきたということです。

言ってみれば、これまでは増していく供給に対してちゃんと需要が追いつけ追いこせで、うまくいっていたわけですね。

 

けれども、その「供給に追いつけるほどの需要の発展」ということにおいて、日本はそうとうドン詰まりのところにまで来てしまっているように思えます。

 

日本はいまや「高齢化社会」どころではなく、すでに「超高齢社会」になっていますね。(65歳以上が人口の7%~14%なのが「高齢化社会」。14%~21%が「高齢社会」。21%を超えたら、「超高齢社会」。)これから人口はどんどん減っていくというのは、とっくに周知の事実と思います。

戦後の経済の発展とともに、これまでは人口はどんどん増えてきていたけれど、現在もうすでに減っていくばかりの方向に入ってしまっているわけです。

需要を支える要因が人口だけということはないのだろうけれど、人口が減ったならば需要に大きな影響があることは間違いないですよね。

 

しかしその一方で、テクノロジーやノウハウの側は、ますます発展していきます。

いままで100の人手が必要だった仕事が、50ですむようになり、30ですむようになり、果ては人手そのものがいらなくなり、にもかかわらず生産性(供給)自体はどんどん上がっていく。

 

「ニート」の存在がこの社会において大きな問題となっているというのは、このネット上においては言わずともみなわかっていることと思いますが、ひとりの人間がフルタイムに残業までして働くような必要なんて、ほんとはもうない時代にとっくに入っている気がします。

社会全体の生産力を見れば、需要に応えるという部分では、企業らが為していることの大方は過剰なものでしかない。

そんなふうに、とっくにモノは余っていて、それをやる必要はもうないところで各企業は勝ちあがろうとするわけだから、そこで働く人たちが死に物狂いの努力をしなければ、すぐ沈んで消えてしまう。

 

一方で、毎日掃いて捨てるほどの食品の廃棄物が出ていようと、働いて「お金」を持っていないことには、廃棄されるだけのそれらを指をくわえて見ていることしかできません。けれども、テクノロジーやノウハウの発達によって、人手はどんどんいらなくなっていく一方です。ただでさえ需要が減って人手がいらなくなるところに、さらに拍車がかかっていく。

そういう仕事を得られないひとたちというのは、まったくの無資力であり、いくら供給過剰で価格が下がろうが、需要には貢献できません。働き手が減らせて人件費が浮くと喜んだところで、社会全体でみれば買ってくれるひとがいなくなってしまうことに他ならず、結局は企業も苦しむことになるわけです。そうして、会社のなかの働き手は売上のためにいっそうの負担を強いられる。

 

こう考えると、いまのシステムはほんとにどうにかしないと、働いている者もムダに不幸、働けない者もムダに不幸、誰しもがムダに不幸という時代になってしまう(もうなっている)んじゃないかと思えるのです。みんながそんなふうに働く必要なんて、そもそもはじめからない。社会にはすでに、十分にモノがある。

 

 

この解決方法にはどんなものがあるだろうということを少し考えようとしてみると、すぐにある考えが頭に浮かんでしまいました。

マルクスが社会主義は最終的に資本主義に勝利すると言っていたことは、あながちまちがいではなかったのではないか、と。

 

 

※おことわりしておきたいのですが、私は経済学に関してちゃんと学んだこともなくて、これらは生齧りの知識をもとにめぐらされた素人考えです。