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優先座席付近では携帯電話の電源をお切り下さい

読みました。

形骸化されたルール - ロックンロールと野球とラーメン

 

電車内の優先座席付近での携帯電話使用禁止ルールについての腑に落ちなさは、私も常日頃から感じておりました。

 

私には現状のこのルールは、二重の意味で腑に落ちません。

 

まずひとつは、「携帯電話は本当にペースメーカーに影響あるのか?」ということ。ないんだったらそもそもこんなルールを設けている必要がなにもありません。

そして、もうひとつは、携帯電話がペースメーカーに影響があるとして(可能性だけでもあるとしているからルールを設けているのでしょうけど)、だったらルールの徹底させぶりが、ありえないほどお粗末だろうということです。人の身体にかかわることなのに。

ルールの徹底させぶりというよりも、電源の入った携帯電話の所持者とペースメーカー利用者がいっしょに乗り合わせることがないようなシステムをきっちりと組み立てておかないといけないはずです。

そんな、放送で電源切ってくださいね~と呼びかけるだけで、全員が全員切るわけがないし、ひとの命に関わりうることをそんないいかげんな取り締まりですませていいはずがない。(実際には、携帯電話がペースメーカーに影響を与えてもそのペーシングが少しずれることがあるというだけで、それによって命に影響があるなどということはないようですが)

 

おそらくですが、現状、優先座席付近(優先座席上)で携帯電話の電源を切っていないひとたちは、「携帯電話は確実にペースメーカーに影響はない」とわかっているわけではないと思います。

「ペースメーカーの利用者なんてそうそういないだろう」という考えと、「ちゃんと律儀に切っているひとなんてほとんどいないだろうし、それで何かが問題になったという話も聞いたことがない」ということから、「まあ切らなくて問題はないんだろう」ということをなんとなく思ったままに切らないままになっているのではないかと推測します。

「ペースメーカー利用者が(危険すぎて)電車になんて乗らないようにしているからか、それとも実際にはペースメーカーに影響なんてないからか、理由ははっきりわからないけれど、とりあえず切らなくても問題はない」というのが世間一般の認知なんじゃないでしょうか。

 

ところで、実際のペースメーカ利用者はどのように考えているのかというと、ググってみたらこの記事を見つけました。今年(2013年)10月の記事なので、ほぼ最近のもの(私がこれを書いた時点では)です。

優先席付近の携帯電源オフ、必要ない? 心臓ペースメーカーへの影響巡って論議に : J-CASTニュース

 

ペースメーカー利用者としては、やはり優先座席付近では携帯電話は切ってほしいそうです。まず、「携帯電話はまったくペースメーカーに影響がない」というわけではないということがなによりと、にもかかわらず優先座席で公に携帯電話が利用されるようになったなら、不安の面で心臓に影響を受けてしまうということがあるということ。もっともなことと思います。

 

だったならば、鉄道会社の(あるいは国の)優先座席付近での携帯電話利用禁止の、その必要性の認知のさせっぷりのお粗末さこそが一番の問題なのではないでしょうか。

優先座席付近のみで携帯電話利用は禁止されているのに、身体の面で本当に困るひとがいると知りながらそれでもそこで携帯電話を使おうなんてひとは、まずいないでしょう。xKxAxKxさんの言及元の記事でも、優先座席付近で携帯を使っていた人が初老の男性から注意されてカバンにしまう際に、"「チッ、うっせーな」という表情を隠すことは無く"とありましたが、その表情が出たのは、「本当はそんなことをする必要なんてない」という認知をその人が持っていたからに違いありません。

そういう認知が公に広まってしまっているのは、鉄道会社や国のこの件に対する施策がお粗末だったからに他ならないでしょう。

携帯を使いたいなら優先座席付近からは離れる、優先座席付近にいるなら携帯の電源は切る(電波が問題ならいわゆる「機内モード」でもいいんでしょう)、そのぐらいはべつになんでもないことです。

問題は、その必要性をちゃんと認知させること。それを誰がするのかとなれば、施設の提供者である鉄道会社や国しかありません。

なら、ちゃんとやりましょうよ、と。いまのやり方じゃぜんぜん認知させれてないんだから変えなきゃだめでしょう、と。

 

とりあえず私は、こんどから電車に乗るときは、優先座席付近には立たないことを意識しようと思います。